自分で作ったゲームを、自分で遊んだ日
はじめに
お疲れ様です アースキーです😊
白状します。
自分で作っているゲームを、私はちゃんと遊んだことがありませんでした。
(作ってはいるのに?🤔)
作っては動かし、直しては動かし。
それは何度もやっています。
でもそれは「動作確認」であって、「遊ぶ」ではなかったんですよね。
先日、ようやく全部のステージが繋がって、最初から最後まで通して遊べる状態になりました。
そこで初めて、プレイヤーとして自分のゲームを触ってみたんです。
出てきたのは、達成感ではありませんでした。
1. 💊 病院薬剤師が、なぜゲームを作っているのか
先に、前提の話をさせてください。
私は病院で働く薬剤師です。
ゲーム会社の人間ではありません。
きっかけは、応援でした。
NinjaDAO(=クリエイターが集まるオンラインのコミュニティのことです)で知り合った「お寿司職人さん」という方が、ゲーム制作の教材を出されたんですね。
最初は、その応援のつもりで、宣伝用の動画を1本だけ作るつもりでした。
それだけのはずだったんです。
でも、作っているうちに、こう思ってしまいました。
「あれ、これ…私も作ってみたいのでは?」👀
そこからずるずると巻き込まれて、今に至りますw
最初は3Dの世界で作ろうとしていました。
けれど、自分が頭の中で描いていた世界を形にするには、技術がまったく足りませんでした。
なので、スケールを小さくしました。
3Dをやめて、2Dのブラウザゲームにしたんです。
私はスーパーファミコンと64の世代です。
あのくらいの画面の方が、そもそも自分の手に馴染むという理由もありました。
内容は、花を育てるゲームです。
花といえば、生薬(=漢方薬の材料になる植物などのことです)。
生薬を組み合わせると、漢方薬ができる。
花 → 生薬 → 漢方。
この順番で発想が繋がって、「花を育てながら薬を学べるゲーム」という形に落ち着きました。
薬剤師がゲームを作る理由を先に用意していたわけではなく、応援から始まって、たまたま自分の仕事と地続きになった、というのが正直なところです。
2. 🗺️ 全部のステージが繋がった日
今回、大きな進捗がありました。
季節ごとのステージが全部繋がって、行き来できるようになったんです。
・🌸 春
・☀️ 夏
・🍁 秋
・❄️ 冬
・🏯 伊賀
それぞれの場所に、キャラクターが立っています。
最初は、順番に歩いて移動する形にしていました。
でも、自分でやってみて、すぐに分かりました。
地味に、面倒くさい。
作った本人が面倒だと思うものを、遊ぶ人が我慢してくれるはずがありません。
なので、各ステージへ直接飛べるワープゾーンを置きました。
こういう判断は、頭の中では出てきませんでした。
自分の足で歩いてみて、初めて「これは要らない時間だ」と分かったんです。
3. ⚠️ 自分で遊んで、初めて分かった不備
ワープだけではありませんでした。
通して遊んでみたら、直すべきところが次々に出てきます。
・📝 遊び方の説明文字が、小さすぎて読めない
・🌱 画面の端に置いた種のアイコンが、小さすぎて気づけない
・💊 薬を渡す場面で、私自身が選択を間違えた
ひとつずつ書きます。
まず文字。
説明のテキストが、スマートフォンで見ると明らかに小さい。
思い切って2倍にすることにしました。
ただし、「操作方法」といった見出しの部分は、ひらがなのまま残しています。
読む人が子どもでも大人でも、まず引っかからずに読み始められる方を優先しました。
次に、種の配置。
画面の右側に置いた白朮(びゃくじゅつ)という生薬の種が、画面のサイズに対して小さすぎました。
これも後で調整します。
そして3つ目。
このゲームには、キャラクターが症状を訴えて、それに合う薬を渡す仕組みがあります。
実演でその場面をやっていて、私は薬を選び損ねました。
薬の専門家が、薬を選び間違える。
情けない話ではあるのですが、少し冷静に見ると、これは設計の話でもありました。
現実の現場では、患者さんの背景も、これまでの経過も、他に飲んでいる薬も、全部見た上で考えます。
でもゲームの画面の中では、そこに出ている情報だけで判断することになる。
つまり、情報の出し方が足りていないということです。
自分が間違えた瞬間に、それが分かりました。
4. ⏳ わざと、1日5分しか進まないようにした
もうひとつ、今回決めたことがあります。
進みを、遅くしました。
・🌰 種がもう一度採れるまで、4時間
・🪴 薬の畑を耕すのに、半日で1つ
・🌼 24時間待つと、2〜4個に増える
サクサク進みません。
むしろ、待たされます。
これは意図的です。
私が子どもの頃に遊んだポケットモンスターの金銀や、ルビー・サファイアには、1日1個しか作れないもの、1日1回しか採れないものがありました。
あれが、良かったんです。
明日また起動する理由になっていました。
今のゲームやアプリは、時間あたりの効率を上げる方向に進んでいます。
コスパよく、短時間でたくさん進める方が親切だとされている。
でも私は、そこにあえて逆らうことにしました。
想定している遊び方は、1日5分です。
種を見て、水をやって、閉じる。
それでいい、というゲームにしたかった。
もっとも、これが受け入れられるかどうかは、まだ分かりません。
「待たされるだけで、つまらない」と言われる可能性も普通にあります。
そこは、遊んでもらってから考えます。
5. 🔍 作った人と、遊ぶ人は、別人だった
配信中に、思わず口から出た言葉があります。
「実際に自分でプレイすると、分かるもんだな」
これが、今回いちばんの収穫でした。
作っているときの私は、ゲームの中身を全部知っています。
どこに何があるか、次に何をすべきか、当然のように分かっている。
その状態で作った画面は、私にしか分からない画面になっていました。
似たことが、前日にもありました。
説明用のイラストをAIに頼んだとき、私は「画像の中に説明の文字も一緒に入るはずだ」と思い込んでいたんです。
出てきたのは、文字のない1枚絵でした。
最初は失敗したと思いました。
でも、少し考えて気が変わりました。
絵は絵として作って、文字は後から画面側で載せる方が、読む人にとっては分かりやすい。
これも、自分の思い込みが先にあって、実物を見て初めて崩れた例です。
作る側の頭の中と、触る側の目に映るものは、同じではない。
分かっていたつもりでした。
実際に自分で遊ぶまで、まったく分かっていませんでした。
6. 🎵 音と、会話の話
細かいところも、少しだけ。
BGMはAIで作っています。
冬のステージが、いちばん難航しました。
和風でありながら、冬の空気も出したい。
「クリスマスっぽさも混ぜたい」と欲を出したのが良くなかったです😅
・❌ ノスタルジックに寄せる → 重すぎて、ゲームが暗くなる
・❌ クリスマスに寄せる → 完全に西洋の音楽になって、和が消える
2回失敗しました。
最終的には、クリスマス寄りの曲をベースにして、そこへ三味線の音を足すことで着地しました。
ちなみに秋のステージの曲は、1年前にファンアートのコンテスト用に作ったスライドショー動画の曲を、そのまま流用しています。
過去に作ったものが、1年後に別の形で役に立つ。
こういうことがあるので、作ったものは捨てられません。
会話の方も少し変えました。
キャラクターの設定情報を、その場で引っ張ってこられるようにして、会話の中に術や設定が反映されるようにしています。
ただし、全部は最初から見せません。
薬をある程度作らないと解放されない会話を用意しました。
遊んだ人だけがたどり着ける場所を、少しだけ残しています。
🧪 今日の特効薬
今回の話を、ゲームに関係のない場面でも使える形にすると、こうなります。
自分が作ったものを、自分で「利用者として」最後まで通す。
これだけです。
私の場合はゲームでしたが、同じことは仕事の資料でも起こります。
・📄 自分が作ったマニュアルを、何も知らないふりをして最初から読む
・✋ 自分が作った手順書のとおりに、省略せず手を動かす
・📱 自分が作った説明書を、スマートフォンの画面で見てみる
作った人は、書いていないことまで頭に入っています。
だから「書いていない」ことに気づけません。
一度、知らない人のふりをして通す。
それだけで、抜けているところが見えてきます。
おわりに
自分で作ったものを、自分で遊ぶ。
こんな当たり前のことを、私は後回しにしていました。
作っている時間の方が楽しくて、遊ぶ時間を取っていなかった、というのが本音です。
でも、遊んでみて出てきた不備は、どれも作りながらでは絶対に気づけないものでした。
あなたが今作っているものは、あなた自身が最後まで通したことがあるでしょうか。
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