添付文書を、紙にコピーしてマーカーを引く
いつの時代の勉強会?
はじめに
おはようございます。
今日、もう一回録り直して配信しています。
朝、配信を終えてから音声を聞き返したら、まったく入っていなかったんですね。
少し笑ってしまいました。
「添付文書(=薬の効能・副作用などをまとめた公式の説明書)を、いったん紙に印刷して、マーカーで線を引いて、それをカラーコピーして勉強会の資料として配る」
私の職場では、まだそういう手順が残っています。
いつの時代のことをやっているんだろう、と少し思いました。
今回はそんな話を、自分の言葉で書いていきます。
1. 業務を3つに分けてみて気づいたこと
今週、私は自分の薬剤師業務をAIに分解してもらう実験をしていました。
ざっくり3つに分かれます。
服薬指導の記録(患者さんごとに残す説明の履歴)
勉強会の準備(資料の下処理・構成)
個人情報を守った相談(症例の壁打ち)
3つに分けてみて、「全部やり切る」という勘違いが一番しんどいことに気づきました。
知識量ではなく、自分の業務を正しく分解できているか。
ここが、AIを職場で使えるかどうかの分かれ目だと思います。
2. 病院の現場が、まだAIに繋がれない理由
町の調剤薬局では、マイクで音声を録って、AIで文字起こしして、服薬指導の記録をつける流れが少しずつ広がっています。
ところが、病院の現場はまだ違います。
私たちが使うカルテは、オンプレミス(=院内の閉じたネットワークだけで動く仕組み)です。
インターネットには、ほぼ繋がっていません。
しかも、自由記載タイプ。
だから自由に書ける反面、1日に何人分の記録を残せたかで評価される側の負担も大きい。
職場のパソコンには、有料のAIアカウントは一つもありません。
無料のアカウントすら、まだ持てていない。
そういう現場が、地味に、たくさんあります。
3. 持ち帰って、家で「下処理」を済ませる
私は最近、家に帰ってからAIに下処理を任せています。
たとえば勉強会の資料。
今日のAI下処理の手順
1. 公開されている医薬品情報を集める
2. 情報源(添付文書・ガイドライン)を必ず明記する
3. ChatGPTに構造化と図解化だけ頼む
4. 個人情報は一切入れない
5. 翌日、職場で人の目で必ず最終確認する
職場の同僚が2〜3時間かけている資料準備が、家でやると10〜20分で済みます。
これは魔法ではありません。
情報収集と整形をAIに渡し、判断と確認は自分が握る、という単純な分業です。
患者さんの名前・年齢・病名・処方内容は、AIに渡しません。
特定につながる組み合わせは、たとえ「相談したい」場面でも避ける。
その線さえ守れば、AIは相談相手のお医者さんくらいのテンションで壁打ちに付き合ってくれます。
おわりに
「いつの時代のことをやっているんだろう」と感じる紙文化は、たぶん私の職場だけではないと思います。
でも、それを一気に変える必要もありません。
自分の業務を3つに分ける。
AIに渡せる部分と、自分が握る部分を線引きする。
今日のうちに、1つだけ家で試してみる。
これだけで、現場は少し軽くなります。
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お知らせ
6月20日(土)、羽田・天空橋で開催されるニンケットにて、館内アナウンスをしてくれる方を募集中です。
2〜3分の原稿はこちらで用意します。子ども大歓迎、初心者歓迎。
気になる方は私のDMまで、お気軽にどうぞ。



電子カルテでLLMを使えるようになるまでは、まだまだ時間がかかりそうな気がしますよね、、!
カルテ記載には使えないなら、アースキーさんのように、勉強会の準備など、できる範囲で利用していくのが賢いやり方だと思います。
「情報収集と整形をAIに渡し、判断と確認は自分が握る」という分業の線引きの明確さに、非常に納得しました。
院内の制限がある中で、何がAIに渡せて、何が渡せないのか(個人情報)を正しく仕分けられているからこその効率化ですね。こうした地に足のついた「下処理」としての活用こそ、今の医療の現場において最も現実的で効果的なAIとの付き合い方だと思います。