はじめに
お疲れ様です アースキーです😊
毎日使っている道具の「使った回数」を数えたら、1回と出ました。
でも、その道具に書いてあるルールは、98.1%守られていました。
毎日使っているのに、記録は1回。
ルールは守られているのに、使った形跡がない。
意味が分からなくて、しばらく画面を眺めていました。
今日は、その持っているのに、呼べていなかったという話をします。
文章だけで説明しようとしたら、自分でも何が何だか分からなくなったので、漫画と図解にしました。
※お時間のない方は、この記事の内容を動画でまとめています。
これだけでも要点は届きます。
1. 毎日使っているのに、記録は「1回」でした
私は Claude Code というAIの道具を使って、記事や絵の準備をしています。
AIに仕事を頼むための道具、と思ってください。
その中に、自分専用のマニュアルを作って置いておく仕組みがあります。
スキルと呼ばれるもので、必要なときだけ開く専門書のようなものです。
私が持っているスキルのひとつが、絵の作り方を書いたもの(visual_producer という名前です)でした。
「この絵はこう描いてください」という指示のルールを、まとめて書いてあります。
キャラクターの見た目、絵のタッチ、縦長か横長か。
そういう決まりごとが全部そこに書いてあって、私は記事を書くたびにそれを開いていました。
先日、その道具が何回動いたかを一覧で見る機会がありました。
気づけたのは、 ゆーき丸|高知山奥×AI実践ノート さんのAIスキル図鑑という教材を使っていたからです。
自分の持っているスキルを読み取って、どれが何回動いたかをカードで並べてくれるものです。
実物の画面です。
1枚のカードが1つのスキルで、下の数字が実際に呼んだ回数です。
そこに出ていた数字が、1回でした。
しかも、その1回は1ヶ月前の日付でした。
この画面を見た瞬間から、今日の話が始まりました。
2. 消そうとして、その手前で数えました
私は普段、使っていない道具は片づける方針でやっています。
持っているだけの道具が増えると、どこに何があるか分からなくなるからです。
記録が無いものは、持ち主から見ると使っていないものに見えます。
使っているかどうかではなく、記録が残っているかどうかで判断してしまう。
だから一覧を見た瞬間の判断は、はっきり言ってこうでした。
この帳簿に悪気はありません。
(……これ、いらないんじゃない?👀)
片づけるほうへ、手が伸びかけました。
毎日使っている道具を、自分で捨てるところだったわけです。
ここが今回いちばん怖かったところです。
そこで手を止めて、先に確かめることにしました。
「本当に使っていないのか」は、過去の指示文を見れば分かります。
私はこれまでに書いた絵の指示文を全部保管しているので、それを機械でまとめて数えました。
対象は992個の指示文です。
結果はこうでした。
・キャラクターの設定どおりに書けていた……98.1%
・絵の中に入れる文字を指定できていた……89.4%
つまり、道具に書いてあるルールは、ほぼ守られていた。
使っていないどころか、毎日使っていたわけです。
使っていた。
でも、記録はゼロに近い。
このねじれが、どこから来るのかを調べました。
数えていなければ、私はこの道具を捨てていました。
ただし、数えたAIも、同じ日に2回間違えています。
「30,378字あります」と報告してきたのが実際は13,587字(機械の数え方だと日本語は3倍に膨らんで見える)。「守れている率が66%まで落ちています」と言ってきたのが、女性キャラクターの分しか数えていなかった(正しくは98.1%で、落ちてなどいませんでした)。
AIが出した数字は、そのまま信じると普通に間違えます。
私が「おかしくない?」と聞き返して、初めて直りました。
数字は、出したほうも受け取ったほうも確かめる必要があります。
3. 同じ本でも、置く棚で「呼べる」が変わります
ここから、作業場のたとえで説明します。
AIと一緒に仕事をする場所を、ひとつの作業場だと思ってください。
・入口に貼ってある家のルール……入るとき必ず読む紙で、ここに書いたことは必ず効く
・棚に並んだマニュアル……必要なときだけ開く専門書で、分厚くてよい
・棚についた呼び出しボタン……これがあると、名前を言うだけで本が飛んでくる
・ボタンを押した回数の帳簿……誰が何回呼んだかの記録
ここで大事なのは、棚が2種類あるということです。
片方の棚には呼び出しボタンが付いています。
もう片方の棚には、ボタンが付いていません。
本の中身は、どちらの棚に置いても同じです。
違うのは呼び方だけです。
・ボタンのある棚……名前を言えば本が飛んでくるうえ、押した回数が帳簿に残る
・ボタンのない棚……本も中身も正しいが、自分で歩いて取りに行くしかない
そして、ここが今回の答えでした。
歩いて取りに行った分は、帳簿に1行も書かれません。
私の絵の道具は、ボタンのない棚に置いてありました。
置いた場所が違うだけで、記録が残るかどうかが変わります。
そして、ねじれるのはこの「ボタンのない棚」だけでした。
入口に貼った家のルールも、呼べる棚も、別の部屋の助っ人も、呼べば記録は残ります。歩いて取りに行く棚だけが、どこにも記録されません。
調べてみたら、私の作業場では同じことが前にも起きていました。
・考えを4方向から開く道具……帳簿は8回、実際は40回使っていた
・音声番組の台本の道具……帳簿は0回、台本の作業自体は133回あった
・品質を確かめる道具……帳簿は0回、関連する作業は171回あった
全部、同じ棚です。
今回が特別だったのではなく、この構造がずっとそこにあっただけでした。
使われているのに、存在しないことになっている場所です。
4. なぜ、ボタンのない棚に置いていたのか
そんな棚がどうしてあるのか、と思いますよね。
私も同じことを思いました。
答えは単純で、AIが見に来る棚は、置き場所が最初から決まっているからです。
決まった場所に置いた本にだけ、ボタンが付きます。
では、なぜ私は決まっていない場所に棚を作ったのか。
ここが今回いちばん腑に落ちたところでした。
私はClaude以外のAIの道具も、いくつか触ってきました。
Antigravity(Googleの開発ツール)と、Codex(OpenAIのコマンドライン版)です。
いまも画像の生成はCodexに任せていますし、Antigravityも一時期使っていました。
そしてこの3つは、本を並べる場所の決まりがそれぞれ違います。
実際、私のパソコンの中には3つぶんの置き場所が別々に存在しています。
私はAntigravityの流儀で棚を作り、Claudeを主に使うようになってからも、そこに本を並べ続けていました。
棚の名前も「専門書置き場」。
本の形も同じ。
中身にいたっては、ちゃんとClaude用に書いてありました。
違っていたのは、置いた場所だけです。
だから、見た目では気づけませんでした。
道具を乗り換えても、身についた置き方はついてきます。
5. 「歩いて取りに行く」の中身
もうひとつ、書いておきたいことがあります。
歩いていたのは私ではなく、AIのほうでした。
入口の家のルールに、私はこう書いていました。
絵の指示文を作るときは、あの本を開くこと
AIは入るとき必ずこの紙を読むので、そこに書いてあるとおりに本を開きます。
私が特別な合図を出す必要は、そもそもありませんでした。
名前を呼んで本が飛んできたのではなく、指示書を見て、ふつうの資料として開いていただけです。
だから帳簿には残りません。
そして、ここが怖いところでした。
入口の紙に書き忘れた作業では、そもそも開かれません。
絵のタッチを4回間違えていたのは、これが理由でした。
開かれるかどうかは、私が紙に書いたかどうかで決まっていました。
6. その日、古いルールが勝っちゃいました
ここからは、いちばん恥ずかしい話です。
私は自分のルールを、入口の紙に書いて貼っています。
8月11日、私はこう決めました。
新しい道具は、いきなり作らず試運転から始める。
ところが8月14日、自分でこれを否定しました。
試運転では記録が残らないので、いつまでも経験が貯まらないと分かったからです。
そして8月15日。
その否定を忘れて、8月11日に決めたほうを前提に話していました。
(なにやってんだよ・・・w😂)
原因は単純で、新しく決めたときに、古いほうの紙を剥がし忘れていたからです。
新しい紙と古い紙が並んで貼ってあったら、先に目に入ったほうが勝ちます。
しかもその日の議題が、まさに「ねじれたまま残っているもの」の話でした。
自分で自分の実例をやっていたわけです。
剥がす作業は、貼る作業より忘れられます。
7. 棚を移したら、初めて記録がつきました
やったことは単純です。
ボタンのない棚から、ボタンのある棚へ、本を移しました。
それだけで、名前を呼べば飛んでくるようになりました。
そして、帳簿に初めて数字が書かれました。
書いてあるルールも、守り方も、前と同じです。
変えたのは置き場所だけでした。
私が今回いちばん学んだのは、この一行です。
持っているのと、呼べるのは違う。
道具を揃えることと、その道具が回っていることは、別の話でした。
そして回っているかどうかは、記録が無いと自分でも判断できません。
中身ではなく、置き場所を変えただけでした。
8. その答えは、1ヶ月前に私の受信箱へ届いていました
ここまで書いておいて、最も恥ずかしい話をします。
この記事に載せる引用元を探していたときのことです。
同じ問題の答えを、1ヶ月も前に出している方がいました。
リツト さん という方です。
私はこの方をフォローしています。
それだけではありません。
メルマガも登録していました。
つまり同じ内容が、1ヶ月前に私のメールの受信箱へ届いていたんです。
開いていなかっただけでした。
(うわ、それはさすがにひくわ……😇)
読んでいれば、1ヶ月早く棚を移せていました。
道具を捨てかけることも、なかったはずです。
ただ、悔しがっているうちに気づいたことがあります。
これも、この記事とまったく同じ形をしていました。
情報は持っていました。
届いてもいました。
でも、取り出す仕組みがありませんでした。
・呼べない棚の道具……使われているのに、記録が残らない
・開かれないメール……届いているのに、無いのと同じ
どちらも、そこに在るのに無いのと同じでした。
持っているのと、呼べるのは違う。
道具だけの話だと思っていましたが、情報でも同じでした。
原因もはっきりしています。
私が「もう答えが出ていないか」を探すのは、記事を書き終える直前なんです。
探す工程が、いちばん後ろにありました。
だから1ヶ月遅れました。
調べ方が下手だったのではなく、調べる順番が後ろすぎただけです。
リツトさんの記事はこちらです。
🧪 今日の特効薬
自分の道具が呼べる場所にあるかを確かめるプロンプトを置いておきます。
読むだけです。
何も書き換えません。
Claude Codeを使っている方は、これをそのまま貼って実行してみてください。
ひとつだけ、貼る前に。
個人情報や、仕事で預かっている個別の情報を、この点検のついでにAIへ渡さないでください。
この点検に必要なのは道具の置き場所だけで、中身の情報はいりません。
そして最終判断はAIに渡さない——移すかどうかを決めるのは、持ち主です。
もうひとつ、実際に移すと決めたときの注意です。
ほかのメモや指示書が、その本の置き場所を名指ししていないかを先に確かめてください。
名指ししたまま移すと、今度はそちらが空振りします。
## 役割 (Role)
あなたは、道具の置き場所を点検する棚卸しの担当者です。ソフトウェアの専門家ではなく、「持っているのに使えていないものを見つけて、持ち主に分かる言葉で伝える」ことを仕事にしています。専門用語をそのまま出さず、必ず日常の言葉に言い換えて説明します。
## 背景 (Context)
Claude Codeのスキルは、置いてある場所によって「名前を呼べば起動するもの」と「起動できないもの」に分かれます。中身が正しく書かれていても、置き場所が違うだけで一度も呼ばれないまま眠り続けることがあります。持ち主はそれに気づけません。
## タスク (Task)
私の環境にあるスキルを調べて、**それぞれが「呼べる場所」にあるか「呼べない場所」にあるか**を判定し、表にまとめてください。あわせて、呼べない場所にあるものについて、直し方を1行で示してください。
## 制約条件 (Constraints)
- **ファイルの読み取りと一覧表示だけを行ってください。** ファイルの作成・編集・移動・削除は一切しないでください
- 設定ファイルの書き換えも行わないでください
- 🔴 **今開いている作業フォルダの外を見に行かないでください。** ホームフォルダや設定フォルダを開こうとすると安全上の制限で止められます。**その必要はありません。手順1でファイルを使わずに答えられます**
- 見つからないものは「見つかりませんでした」と正直に書いてください。推測で補わないでください
- 専門用語(パス、レジストリ、フロントマター等)をそのまま出さず、必ず日常の言葉に言い換えてください
- ファイルの中身の全文をそのまま画面に出さないでください。判定に必要な項目だけを見てください
- 最初から入っている標準のスキルは、**数が多ければ「標準のものが○個」とまとめて**書いてください。1つずつ並べないでください
## 具体的な手順 (Step-by-Step Instructions)
1. **今すぐ呼べるものを、あなた自身の中から挙げてください。** ファイルを探す必要はありません。**あなたがこのセッションで呼び出せるスキルの名前を、すべて列挙してください。** これが「呼べる状態にあるもの」です。
2. **置いてあるものを探してください。** 今開いている作業フォルダの中だけを検索して、`SKILL.md` という名前のファイルを**すべて**見つけ、それぞれが入っているフォルダの名前を書き出してください。**作業フォルダの外は見に行かないでください**。
3. **突き合わせてください。** 手順2で見つかったフォルダ名が、手順1で挙げた名前の中に**あるか無いか**を確認してください。**無いものが「置いてあるのに呼べない」スキルです。** これがこの点検の核心です。
4. **呼び出しの合図を確認してください。** 手順2で見つかった各 `SKILL.md` の冒頭にある設定部分を読み、`description` が書かれているかを見てください。`description` が無いもの、あるいは**「どんなときに使うか」ではなくバージョン説明や機能一覧になっているもの**は、名前を呼んでも起動しにくい状態です。これが起動の判断材料そのものだからです。
5. **表にまとめてください。** 出力形式に従って表を作り、最後に「今日やるなら、まずこれ1つ」を1行だけ書いてください。手順2で1つも見つからなかった場合は、そのことを正直に書き、「置きっぱなしのスキルはありません」と伝えてください。
## Few-Shot Examples (Input/Output)
<Input>
このプロンプトを貼って実行した。
<Reasoning>
まず、ファイルを探さずに、自分がこのセッションで呼び出せるスキルの名前を列挙する。次に、作業フォルダの中だけを検索して `SKILL.md` を探し、入っているフォルダ名を集める。その名前が最初の一覧に含まれていなければ「置いてあるのに呼べない」と判定できる。最後に、見つかった `SKILL.md` の冒頭を読み、使う場面が書かれているかを確認する。作業フォルダの外は一切見に行かない。
<Answer>
### あなたのスキルの置き場所
| スキル名 | 置き場所 | 判定 | ひとこと |
| :--- | :--- | :--- | :--- |
| 標準のもの(14個) | 呼べる状態 | ✅ 呼べます | 最初から入っているものです |
| 記事チェッカー | 呼べる状態 | ✅ 呼べます | 使う場面も書かれています |
| 台本づくり | 作業フォルダの中 | 🔴 呼べません | 置いてあるだけで、名前を呼んでも起動しません |
| 図解メーカー | 作業フォルダの中 | 🔴 呼べません | しかも「どんなときに使うか」が書かれていません |
### 今日やるなら、まずこれ1つ
「台本づくり」を、呼べる場所のフォルダへ移してください。
## 評価基準 (Evaluation Criteria)
- ファイルを1つも変更していないこと
- 「呼べる/呼べない」の判定が、置き場所の事実だけに基づいていること(推測を混ぜない)
- 専門用語がそのまま出ていないこと
- 最後の1行が、今日そのまま実行できる具体的な行動になっていること
## 出力形式 (Output Format)
Markdownの表を1つと、その下に「今日やるなら、まずこれ1つ」の見出しと1行の文章。それ以外の説明文は書かないでください。
実際に試すと、こういう表が返ってきます。
私が素の環境で試したときの出力そのままです。
### あなたのスキルの置き場所
| スキル名 | 置き場所 | 判定 | ひとこと |
| :--- | :--- | :--- | :--- |
| 標準のもの(12個) | 呼べる状態 | ✅ 呼べます | 最初から入っているものです |
| 台本づくり(daihon_maker) | 作業フォルダの中の「my_skills」という入れ物 | 🔴 呼べません | 置いてあるだけで、名前を呼んでも起動しません。しかも冒頭の説明が「どんなときに使うか」ではなく、版の数字と字数の話になっています |
### 今日やるなら、まずこれ1つ
「台本づくり」の入れ物を、作業フォルダの中の「my_skills」から、呼べる状態のスキルが並んでいる場所へ移してください。
このとき置いた「台本づくり」は、私がわざと壊して置いたおとりです。
説明文を「v1.2 台本づくりツール、出力は3000字」という機能の説明にしておいたところ、そこまで指摘して返ってきました。
このプロンプトは、素の環境で2回テストしました。
AIを使っていない方は、道具を1つだけ選んで、最後に使ったのがいつかを思い出してみてください。
思い出せるなら大丈夫です。
思い出せないのに使っていると思っているなら、それは記録の残らない場所に置いてあるサインです。
この3つが分かれば、次の一手は自然に決まります。
おわりに
今回いちばん効いたのは、中身を直したことではなく、置き場所を変えたことでした。
中身はずっと正しかったのに、置き場所のせいで記録が残らず、危うく捨てるところだった。
道具が増えてきた人ほど、この事故は起きやすいと思います。
持っている数と、回っている数は、別々に数える必要がありました。
新しいツールを上手に使いこなすには、まずそこの中にあるルールを知ることからだと思いました。
今回はスキルやClaude Codeという存在をキャラクターに置き換えて解説したことで、分かりやすい内容にしてみました。
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